――――――星屑が、降る島
誰も知らない、誰も足を踏み入れたことがない、そんな、島。
孤島と呼ぶにふさわしい、全ての下界から切り離された、そこは桃源郷と呼ばれていた。
そして、そこには一つの伝説があった。
<星屑が降る島へ、
昔、昔。いつもと変わらない時間が流れるその日、すべてを変える出来事が起こりました。
夜でもないのに、星が空から降ってきたのです。
きらり、きらり、とまるで空が泣いているようでした。
星屑はある島へ降りていきます。静かに、静かに…
ある星はその姿を水にかえ、ある星はその姿を犬にかえました。
星屑は新たな命となり、そこに息づくようになります。
そして、何時も一人ぼっちだったある星屑は、この島に降りても、また一人ぼっちになってしまいました。
ひとつだけ、二つのくりりとした宝石を持ち、つんと高い山を持つ。てっぺんだけに毛を生やし、赤く染められた縁に切り取られた穴。
ひとつだけ、だれとも違う姿になってしまいました。
ここでも…一人ぼっちなのだろうかと、星屑の涙を、きらり―
それから数十年、その星屑は一人ぼっち、ずうっと、一人ぼっち。
その姿を見た神様は、その星屑をあわれに思いました。そして、思いついたのです…
「同じ、形をした、ものを与えてあげよう」>
本当か、嘘かなんて、だれにもわからない、そんな伝説。
ただ、どこか遠くで、星屑が降ったような気がして―